個人主義

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2017-11

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ダールジールがやって来た ヤァ!ヤァ!ヤァ! ~darTZeel NHB-108 model one 自宅試聴

 そりゃビートルズだろっ!と、ひとりツッコミのややハイテンションの書き出しである。

 約1ヶ月ほど前、私は、我が家のスピーカーの短所克服のためにはパワーアンプのグレードアップが必要なのではないか、そう考えた。もっと駆動力のあるパワーアンプを使用することにより、切れがよく、分離の良い音を手に入れることができるのではないだろうか、そう思い、某オーディオショップでViola SymphonyとGoldmund TELOS 400の試聴をさせていただいた。そして、そのときの結論は「TELOS 400の駆動力ってステキ!」というものであった。
 これまで1年以上をかけて追い求めた高解像度と魅力的な中域と低域は、既に見極めた、と思い上がった私は、我が家のオーディオに残されたテーマは、駆動力、ダンピングの効いた音であろうと考えた。

 そんな私の、ちょっとあさってな思い込みを察したのか、dearaudioの店長からdarTZeel NHB-108 model oneの自宅試聴のお誘いをいただいたのだ。
 うひゃー、うれぴー!でもでも、すぐにdarTZeelを買えるほど、資金に余裕はないのだ。そう言ってご辞退しようとしたのだが、それでも構わないと店長。お言葉に甘えてしまって、本日自宅試聴が実現した。ヤァ!ヤァ!ヤァ!

darTZeel NHB-108 model one 我が家に現れたNHB-108と店長。あ、順番が違った。我が家にいらっしゃった店長と、店長の押す台車に鎮座したNHB-108。一見、かつて見た金色の悪趣味な外観。しかし、よーく見ると、丁寧な作りで、なかなか高級感があるのだ。我が家の、統一感のない多国籍軍なオーディオ機器の中に入っても、それほど違和感はないかも。大きさは、我が家のムンドMM28MEと同じくらいの大きさ。イヤ、奥行きはNHB-108のほうが短いようだ。

 セッティングをする前に、現状の我が家のオーディオの音を確認。最近、行き詰っている私は、店長に聞いてみる。
 「ウチの音って、どうですか?」
 「どうって言われても、いきなり来て、まだちょっとしか聴いてませんから」
そうだよな。でも店長なら少しは評価できるだろうと思ったんだけど。すると続けてポツリ。
 「ヌケが悪いかもしれないですね」
・・・なんだ、そんなことか。私は、意図して高域の解像度を犠牲にして、中域低域の生々しさを引き出しているのだ。ヌケが悪くなったのは承知の上なのだ。
 しかし、私の思っていたヌケと、店長の言ったヌケは、まったく違う次元の音であったことに、この後すぐ気が付かされるのであった。

 ムンドMM28MEをNHB-108に交換して、音を出した。最初のチェックCDは、お決まりの「LaShell Griffin / Free」。
 高域は伸びる。MM28MEよりもしっかりとした高域だ。驚いたのは、低域は膨らんでデロデロ。
 「ムンドの音が締まっていたせいでそう聴こえるんです。それに、NHB-108は今、音出ししたばかりですから。今から1時間のうちに相当変ります。」
と店長。
 おっしゃるとおり、聴いているうちに、みるみる(?)音が変った。静寂さが増し、透明感が出てきて、ひとつひとつの音が凛と立ってきたのだ。まず違いに気がついたのは弦の音である。高域の弦の金属の音、一本一本の弦の音が、他の音とはきれいに分離して、余韻を響かせる。ん、なんだこの音の表情は。
 しばらくするとボーカルが、センターにポッと現れ、たたずむのが分かる。聴いている私と、スピーカーの奥の壁との中間に、スッと立っているのである。いや、こう書くと今までと変らない。今までと違うのは、私とボーカルの間、ボーカルと奥の壁の間、さらにボーカルの左右、つまりボーカルの周囲の空間に、まったく『何もない』のだ。おっそろしく透き通った、透明な空間があるだけなのだ。ひぇ~っ。
 ならば、これはどーだ、とボーカルもののCDを。「Corinne Bailey Rae / Corinne Bailey Rae」、「Lisa McClendon / My Diary, Your Life」、「Misia / Love & Ballads」。ボーカルは今までと同じ生々しさを失わず、しかし一点のニジミもなく、さらに立体的な定位を増して、透明な空間にポッカリと現れるのである。え”~、いいっ!!
 弦とボーカルばかりではない。パーカッションも、ホーンも、バックボーカルも、まったくの静寂の中、他の音とは決して混じりあうことなく、空間の一点より響いてくるのである。

 店長が言う。駆動力のあるアンプで、低域をバコバコ鳴らしたいのは分かる。しかし、駆動力は並でも、このNHB-108は、透明な空間にキッチリと音を描き出す。音の分離の良さという観点では、このNHB-108も選択肢に入るのではないだろうか。
 ほー、ほー。
 それに小音量で聴くのであれば、なおさら駆動力だけに頼らずに、中域高域の音の描き出し方を重視したほうがよいだろう。
 なるほど。
 駆動力のあるアンプは、当然筐体も大きい。一体型ステレオパワーのこのNHB-108は、見てのとおり小ぶりで、この家にはジャストフィットではないか。
 なるほど、なるほど!
 それに一体型と言っても、このNHB-108、モノパワーを2つ組み合わせた構成となっている。あえて一体型にすることにより、左右のチャンネルの位相管理までが可能となっているのである。
 にゃあるほどぉ~う!!
 洗脳されそうである。しかし、この音を聴くと実に説得力があるんだなぁ・・・

 「ライヴか、録音の悪いCDを聴いてみてください」
と店長。録音が悪いと言ったら、「Ella Fitzgerald / Mack the Knife」かな。ご存知ベルリンでのライヴ盤だ。しかし、残念ながら見つからなかった。まさかブックオフ行きにしてしまったのか???
 しかたがないので「綾戸智絵 / Live」。一時は、必須のチェックCDであった。ディナー客の食器の触れ合う音を聴いて、解像度をチェックしていたのだ。しかし、こればっかりでチェックしていたら、我が家のオーディオは解像度だけが高くなって、中域、低域は台無しになってしまったのだ。それ以来、チェックCDとしての役割からは、下ろしてしまった。今回、久しぶりの出番である。
 食器の音は、ちょっと多めかな、久しぶりに聴くのでよく分からない。ところが、綾戸がピアノを弾き始めたとたんに、明らかな違いに気がついた。ピアノの響きが天井まで伸びるのである。
 今まで、音像が上にあがる現象はよく経験した。音が高域にシフトした場合だ。音像全体が上がって、逆に足元には空間が空く。シフトした分低域が弱くなるためだ。しかし、今回は違うのである。シフトしたのではない。今まで出ていなかった高域の音が出ているのである。やはり今までは、ムンドMM28MEが、タイトに音を締めていたせいであろう。
 もうひとつの違いにも気がついた。演奏が始まって、綾戸が唄っている最中にも、食器の触れ合う音がハッキリ聴こえるのだ。ピアノの響きに埋もれてしまうことなく鮮明に、ゆびで指し示すことができるくらいにピンポイントでその場所が分かる。まるで空気の澄んだ夜に、星がひときわ明るく光っているようなのだ。
 そうか、店長の言う「ヌケ」とはこのことなのだ。私の思っていたヌケは、高域の音の細かさのことであった。中域重視のため、ヌケを犠牲にすることは、私にとっては、ごくごく当たり前のことであった。しかし、いまここにあるヌケは、どこの音域も犠牲にすることなく、高く伸びる高域なのだ。そう、今まで聴くことのなかった高域レンジの広さが、ここに存在するのである。そればかりではない。そのレンジの広がりをいささかもさえぎることのない、どこまでも澄み切った透明な空間もまたここにある。
 この広いレンジと透明な空間が、店長のいうヌケであったのだ。ワタクシガマチガッテオリマシタ。

 こうなると何を聴いても楽しい。つづく「Akiko / Mood Indigo」は、店長が横にいるのも忘れて、聴き惚れてしまった。パワーアンプを交換しただけなのに、まるでシステム全体が一皮剥けてしまったようだ。突然霧が晴れたかのような、ブラウン管TVがハイビジョンになったかのような、濁った沼が透明度の高いバイカル湖に変ったかのような、ひとつひとつの音が姿を現し、その形を明らかにし、表面の色や肌触りをはっきりと感じさせる。ここまで変るとは・・・
 やっぱり、ボードやケーブルの交換では限界があるのだ。機器の交換は、まったく違った音の造形が現れるのだ。アタリマエだ。なんと初級者の私だろう。今更のことのように思い知ったのだ。

 試聴を終え、NHB-108を外す。店長は、元のムンドを入れて音を聴いてみてくれと言う。ん、そうなの?NHB-108の良さは、もう十分に分かったよ?
 ムンドをセットして、音を出した。
 ダァ~~~・・・脱力感。まるで上からフタをされてしまったかのように、高音が伸びない。前後左右の空間の広がりもなくなり、音がスピーカーの間の狭い空間に押し込められてしまったかのようだ。もうオモチャは片付けなさいっ!母親にそう言われて、しぶしぶ片付けたオモチャ箱を見下ろしている子供のような、そんな心境である。夢のように楽しかった空間が、しゅるしゅると縮まって、日常に戻ってしまったのだ。
 店長もショップのデモシステムで、やはり同じ思いをするのだそうだ。NHB-108から、他のパワーアンプに交換すると、しばらく聴く気になれないのだと。
 darTZeelは、是非自宅で聴いてみてほしかった、と店長。そうだろーなー、ショップまで行ってデモシステムで聴いたとしても、私にはそのショップの音としか認知できないであろう。そこから、NHB-108を組み込んだ我が家のシステムの音は、私にはトーテー想像ができないだろう。
 店長、こんな良い体験をさせていただきまして、ありがとうございました。

 って、遠くない将来、今度は私が店長からお礼を言われる側に回ってしまうことになるのだろーか。それは誰にも分からない・・・ってことにしておく。おーコワッ。

darTZeel NHB-108 model one top 上から見ると透明な天板の奥には、左右対称に部品が収められている。わざわざスケルトンにしているだけのことはある。とても緻密で美しい。
 やばっ、グッときた! (篠原涼子風 by オリックス VIP ローンカード TVCF)

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コメント

買っちゃえ買っちゃえ!!!
それにしてもそれほど凄いんですね。ダールジール。
ムンドを一捻りとは....

やはり、よそで聞くだけじゃあ実力は解らないんですね。
私も欲しくなりましたが、
これからもプリメイン+CDPの形で行くつもりです。

かにぬーさん、お久しぶりです。

 煽らないでくださいよぉ。先立つものがありません。
 オーディオは、キリがないです。どのヘンで、収めておくのかが大事ですね。ダールジールと比較しなければ、我が家のムンドも十分いい音をさせてるんです。

 おおっ。やはりダールジールですか!島田さん付きで自宅試聴しちゃったら、そりゃご購入しちゃいますよね(^^)/ あと、余計なお節介ですが、SPのスパイクを外してイルンゴの革インシュとか試してみてはいかがでしょうってコレも島田氏の受け売りですが(^_^;)

やはり、ついにダールジールですか!?!ムンドやAYREと違い、少し暖かめの解像度あふれる美音は、このメーカーならではですね。我慢強いへいさんが、どこまでこの誘惑に抗えるか、とても気になります。MESSAさんの仰っているイルンゴの革インシュ、左右ペアで調音し揃えてもらったものが手元にありますので、次回お邪魔させて頂く時にお持ちしますのでお試しくださいませ。BMIケーブル、1本はMESSAさんに、もう1本はハンコックさんに持っていかれました(汗、汗。まったく何のために入手したのやら(笑。というわけで、次回は、BMIオルカではなく、新しく入手した上級のハンマーヘッド・シルバーをお持ちする予定です。オルカよりハイファイ寄りだということですので、オルカほどのインパクトがあるか心配ですが…。

MESSAさん、k1xv1xさん

 我が家の回転系が逝ってしまいました。No390SLも、Pioneer DV-S969AViもです。何が起きたのか、原因を推測してますが、9割は偶然なのではないかと。1割は・・・アレかな。
 というわけで、今、満足にCDが聴けない状況です。DVDはかろうじてDVDレコーダーで見れてます。

な、なんと、2台同時に故障ですか!ご愁傷さまです。拙宅でも、先日の東京大雷雨で、プリの電源部ヒューズが飛びました。サージ対策はそれなりに取っておりましたのですが…。思わぬトラブルというのもありますね。イルンゴ革インシュやごく一部で盛り上がっているBMIケーブルなどをお持ちするのは、回転系が修理帰還しないと無理ですね。残念です。音なしの生活も結構つらいですが、ご自愛のほどを!!

へい。さん、こんばんわ。

 それはご愁傷様です。うちもCDP無くなって、めちゃめちゃ寂しいのでお気持ちはよく判ります。音がないって本当に辛いですね…。

検索エンジン経由で拝読しました。darTZeelのプリ・パワーを使っております。これで駆動力があればなとは思っています。

fairbrookさん、はじめまして。

 darTZeelのプリ・パワー、すばらすぃー!ですね。
 駆動力については、dearaudioの店長が、パワーアンプをセパレートにすると左右の位相が合わないし、一体型だと大きくなるだろうし、難しそうですね、と言ってました。あちら立てればこちらが立たず。オーディオって難しいですね。

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へい。

Author:へい。
 オーディオ歴ははや10年。いくら年数を重ねても、やってることは初級者の域を出ないようだ。このブログはオーディオ関連のインプレ集なのだ。
※ご注意:私は、オーディオで音楽を聴くたびに、毎回感動したり驚いたりする。だからといって、我が家のオーディオが飛び抜けていい音をさせているワケではないし、なにか特別な機器・アクセサリーを使っているワケでもない。ブログをよく読んでいただければ、短所も明記されているのが分かるハズだ。どうか、美しい誤解をされませんように。

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