個人主義

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2006-10

試聴モロモロ(Current Cable他流試合) 後編

 さて、前編に引き続き、いよいよCurrent Cableの他流試合。最初のConquerorの相手は?
 とりあえず、機器構成のオサライ。

  Cary CD306SACD
    ↓
  BAT VK-51SE
    ↓
  Audia Flight 100
    ↓
  Eventus Phobos Classic

 それでは、まずここから。
◆CDPのStealth Dream (Carbonプラグ)
 白いDreamは聴いたことがあるが、この黒いCarbonプラグのDreamをじっくり聴くのは初めてだ。いや、随分前からここの試聴ルームで使用されてたのは聴いてたんだけどね。ケーブルの特徴を聴こうとするのは、初めてということで。
 で、どうか。
 白のDreamほどの広大な音場は感じないが、シットリとした好感触な音だ。でも、Conquerorとの比較とすると、中域の実体感やダンピングの効いた低域は間違いなくConquerorだ。「ミッドローが厚い、音像タイプのケーブルですねぇ」店長もそこは認めた。

◆プリアンプのAllegro
 次にAllegro。以前我が家で聴いたときと同じく、中域がやや厚い。しかし、我が家で聴いたほどのクセは感じられず、まったく素直な普通の音だ。
 これもConquerorに換えると、中域、低域が強調されるのが分る。我が家で比較したときと同じ結果だ。ちょっと安心。

 ここで、店長が「ちょっと確認させてください」と言うとCDを交換。
 なんだなんだ、と思ったら綾戸智絵のライヴだ。拍手の音が聴こえてきた。そうか、音場をチェックしたいのか。それなら劣っているのを素直に認めよう。先日購入した「綾戸智絵 / Life」を我が家で聴いたとき、あまりのホールエコーの近さに、思わず「ホールせま!」とツッコンでしまった。いいのだ、Current Cableは音場を前に出すケーブルなんだから。
 なんて思いつつ1曲聴いたところで、Allegroに戻す。

 再び同じ拍手から始まる。聴衆が近いのでディナーショーか、あるいはバーかレストランでのライヴと分る。客のざわつきが残る中、ピアノが鳴り「入ったよもう」と綾戸の笑いを含んだ声。一斉に客が笑う。ピアノの前奏の後、唄が始まる。先ほどのConquerorの方が、やっぱりボーカルは厚いよな、などと思いながら聴いてゆく。
 あれ、なんか違うぞ。いっそう耳を澄ます。臨場感というか、すぐそのあたりに客が座っているのを感じる。話し声はないのに。そうだ、ナイフ、フォーク、食器の触れ合うカチャカチャという微かな音が、あちこちでやけに鮮明に聴こえるのだ!! すぉーゆーことかぁーーー・・・
 瞬間、頭の中が白くなり、顔がこわばった。
 いや、分ってたサ。高域の微弱音でしょ。我が家のオーディオでチェック済みだ。ウィンドチャイムの音が、以前は「チャラチャラチャラ〜〜ン」だったのが、Current Cableでは「チリチリチリーン」としか聴こえなかった。でも、そんなものより、ソウルのこもったボーカルを生々しく聴くことの方が、何倍も重要でしょー。そのハズだった。
 しかし、何もない空間に、食器の触れ合う音が痛いほどリアルに存在するだけで、その場に臨場感があふれ出す。相対としてステージのリアリティも一気に高まり、聴いているこちらも次元を超えて聴衆と一体となる。そこにあるのは綾戸とピアノだけではなかった。聴衆の熱気、綾戸を中心とした一体感、そうグルーヴが満ちていた。
 なんてことだぁー。ボーカルでも楽器でもない。食器の音、つまりジャマなだけの、排除しなきゃならないと思っていたノイズ。ノイズにしてやられたのだ。

 いやマイッタなー。やっぱりオーディオ歴3年。未熟だなぁ。ここまできっぱりと、明白な差を見せられるとは。いや差はごく僅かなのだ。その僅かな差が、決定的な結果の違いを見せ付けたのだ。オーディオは深いなぁー。1円を笑うものは1円に泣くって、こんなところで実感するなんて。でも、こちら立てればあちらが立たずでもあるんだよなぁ。オーディオは深くて難しすぎるよ。
 でもさ、食器の音入りのライヴ盤なんて滅多にないから、ってそーいう問題じゃないよな。

◆プリアンプにEsoteric 7N-PC9100
 すっかり毒気を抜かれた私は、店長に薦められるままに7N-PC9100の試聴。とりあえず、思考はだいぶ正常に戻ってきている。たぶん。
 この一部で大盛り上がりの、いや『一人で』大盛り上がりなのかも知れないが、7N-PC9100。私も気にはなっていた。前のモデルの8N-PC8100は、聴きたい聴きたいと思いながら、聴く機会に恵まれなかったからね。で、試聴。
 おー、キメの細かい素晴らしい音じゃないか。心地よい音だ。高域もしっかり描き出している、と思って聴いていたが、ちょっと待てよ。高域をしっかり描いているのだが、そこから上に伸びない。しっかり描いているのではなく、しっかり詰まって、フタをしてしまっている、ということに気が付いた。一度気になってしまうと、もうそのクセが耳についてしまって、どうにも聴き苦しい。
 店長もそこを指摘した。その点がエージング不足のせいなのか判断つかないと、エージングが進んで高域が伸びることを確認しないうちは、客には薦められないと、そうおっしゃった。サスガだねぇ。『一人で』大盛り上がりの人とは違うワイ。
 ちなみに、言っとくけど、中域、低域はやっぱConquerorだゾ。


 以上が他流試合の顛末だ。『想定内』であったが気分的には『惨敗』、そういうことであった。鎧兜で重武装したのに、戦いの最中に木の根っこに足の小指をぶつけて悶絶してしまったような。そこかよ!みたいな。
 でもオーディオの負けは、負けじゃないんだね。五里霧中の中で、負けが光明を示してくれた。一夜明けたら、なんか清々しい気分だ。
 それで、我が家のオーディオは、今後どーすんのか。Current Cableを交換する?いやいやそれは考えにくい。この生々しいボーカルは手放せない。中域、低域は今の状態を維持したまま、なんとかあの食器の音を手に入れたい。って食器の音かよ、ともう一回ツッコンどこ。
 「綾戸智絵 / LIVE!」が、我が家のチェックCDになったのは言うまでもない。 


綾戸智絵 - LIVE!綾戸智絵 / LIVE!
 私に辛酸を舐めさせたCD。1曲目「Only You」が収録されたときの、マナーの悪い聴衆に、私はリベンジを誓った。


追記
 大事なことを書くのを忘れていた。店長からのアドバイスだ。
 システムを音像型に振るとしても、機器の上流には解像度の高いケーブルを使用して、下流の機器で音像型のケーブルを使用することにより調整したほうがよい結果になる、とのこと。
 初級者は、素直に従ったほうがよいだろう。

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へい。

Author:へい。
 オーディオ歴はやっとこ5年半。いくら年数を重ねても、やってることは初級者の域を出ないようだ。このブログはオーディオ関連のインプレ集なのだ。
※ご注意:私は、オーディオで音楽を聴くたびに、毎回感動したり驚いたりする。だからといって、我が家のオーディオが飛び抜けていい音をさせているワケではないし、なにか特別な機器・アクセサリーを使っているワケでもない。ブログをよく読んでいただければ、短所も明記されているのが分かるハズだ。どうか、美しい誤解をされませんように。

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